FAI症候群は、鍼治療で治りますか？

FAI症候群とは？
股関節は骨盤の一部にある受け皿（臼蓋）に丸い大腿骨頭がすっぽり収まる構造をしています。臼蓋と大腿骨頭の表面は、それぞれ2-3ミリの軟骨に覆われていてツルツルです。その周りは、関節包という袋に包まれていて、中にはごく少量の関節液が入っています。関節液は関節軟骨に栄養を与え、運動に際しては潤滑油として作用します。本来、正常な股関節はこのような構造で、曲げたり伸ばしたり開いたり閉じたり回したりなどの動きをスムーズに行うことができます

原因と症状
カム型（Cam type）
大腿骨頭から頚部の形態異常により生じる。股関節屈曲時に大腿骨頭の隆起部に股関節唇が挟み込まれたり、大腿骨頭が寛骨臼縁で外側から内側にかけての剪断力が生じたりすることで、関節唇損傷を引き起こす。若年男性に多い。

ピンサー型（Pincer type）
寛骨臼側の形態異常により生じる。過度でない股関節の屈曲可動域において、大腿骨頚部と寛骨臼縁が衝突することで、関節唇損傷を引き起こす。中年女性に多い。

混合型（Mixed type）
カム型とピンサー型の混合。

症状
症状としては、股関節の引っかかり感、動作時の鼠径部痛や大腿部痛、階段昇降時の疼痛の増強など。 他覚的な所見としては、股関節を90°屈曲し、最大内転した後に内旋を強制し疼痛が増強することを確認する前方インピンジメントテストがある。

モアレトポグラフィー
体の重心バランスを調べます。

体の重心バランスが崩れると、腰に負担がかかり、痛みが強くなります。重心のバランスを整える治療をすることで、自然な体の動きが戻ると足首の健康を取り戻すことができます。

FAI症候群の原因までさかのぼって治療するために必要な検査です。

サーモグラフィー
体温の異常を探します。

筋力の低下や関節炎があると体温の異常として現れるので、全身の体温分布を調べることで、FAI症候群の原因を探します。体温の異常部分を治療することで、筋力の低下や関節炎の原因を治すことができます。また、尿酸やカルシウムの代謝も良くなり、 FAI症候群の原因を治すことができます。

衰えだした体の異常を早期に発見して、健康的な足首を取り戻すために必要な検査です。

エコー

筋繊維の萎縮を調べます。

左右の筋繊維の萎縮を調べることで、脚の衰えが事前にわかります。足の筋肉は第二の心臓と呼ばれ体の循環や代謝にもかかわるので、筋線維の萎縮を事前に治療することで、重心バランスを整え、筋力の低下や関節炎の原因を治すことができます。

体の土台を治療して、健康的な足首を取り戻すために必要な検査です。

オージオグラム
聴力を調べます。

FAI症候群の治療には聴力の測定が不可欠です。オージオグラムは当院にて測定します。オージオグラム の測定にあたり、私たちは、耳鼻咽喉科の先生とは違った角度から聴力の測定をします。

聞こえるかよりも、聞き分けられるかを検査します。

病院での治療

対症療法
整形外科的な治療
痛み止めを用いつつ、日常生活で疼痛を誘発する姿勢の回避、股関節回旋運動や屈伸運動などの理学療法による保存的治療。保存的治療で改善がみられない場合、手術治療が検討される。

保存療法
サポーター、杖を使用して股関節に掛かる荷重を減らします。