変形性足関節症は、鍼灸治療で治りますか？

変形性足関節症って？
足首の関節軟骨が変形、すり減った状態です。関節軟骨はいったんすり減ると治りにくいので、減らさない努力が大切です。足の関節はしっかりはまりこんだ構造なので、膝の変形や股関節の変形に比べて、足関節の変形は少ないのですが、ひとたび起こると、重症になります。この頃、高齢化によって徐々に増えだしている変形性関節症です。

原因
一次性は主に加齢が原因で、年齢とともに靭帯がゆるみ、足が内反し、まず内側の関節の隙間が狭くなり、徐々に全体の関節の間が狭くなっていきます。二次性は骨折や捻挫などの外傷、あるいは関節に菌が入って化膿性の関節炎を起こした後や、先天性の内反足などの手術をした後に起こります。他にも血友病、関節リウマチ、痛風といった全身の疾患などが発症の要因は多岐にわたる。

関節炎
ばい菌が関節に入ったり、慢性関節リウマチで炎症物質が関節に入ると軟骨が破壊されます。

血友病
関節内に出血すると軟骨が壊れます。血友病では繰り返し関節内に出血するので、軟骨が壊されて足関節症になります。

物理的刺激
関節の軟骨がはがれて、関節の中に遊離体となってしまうことがあります。関節ネズミと呼ばれます。関節ネズミが関節の間に挟まると軟骨を壊して足首が変形します。

噛みあわせ異常
変形性膝関節症があると下腿の傾きが大きくなるので、足首を逆に傾けるために足首の関節面も変形します。

関節面の異常
関節面の骨折や骨の壊死があると関節面が陥没してしまい、足首の変形が始まります。

症状
足首に体重がかからなければ痛くありません。
歩き始め、階段の昇降、長時間の歩行や立ち仕事のあとに痛みが起こります。 徐々に足首のはれや変形が起こり、動きが制限され正座や坂道での歩行が不自由になります。 長期間にわたって足首が痛みます。 良い時と、悪い時を繰り返しながら徐々に悪化する傾向があります。 悪化とともに左右のくるぶしの幅が広くなり、外くるぶしが大きくなります。 座っていると痛みはありませんので、安静にしていると痛みが良くなります。 動き始めに痛みを感じますが、動き出してしまうと徐々に調子が良くなります。 動き過ぎると夜間に痛みがでます。

良くするコツ
痛み止めばかりを使わない。関節の中には関節滑液という関節の油があります。 多くの変形性関節症と同じで、関節滑液の性質が悪化することがベースです。 だから・・・、良い関節滑液を出るようにするのがおすすめです。 痛みだけを痛み止めで止めて歩くと かえって変形を進めてしまうので注意が必要です。

モアレトポグラフィー
体の重心バランスを調べます。

体の重心バランスが崩れると、片足だけに体重がかかりやすくなります。変形性足関節症の場合、変形足に重心が移ります。重心を確認することで、変形性足関節症の進行具合を想定して治療ができます。

変形性足関節症の原因までさかのぼって治療するために必要な検査です。

サーモグラフィー
体温の異常を探します。

足首の炎症程度や、足首をかばって無理がかかっている場所があると体温の異常として現れるので、全身の体温分布を調べることで、変形性足関節症の原因を探します。体温の異常部分を治療することで、足首をかばって無理をしている場所や関節の炎症の原因を治すことが出来て、変形性足関節症の進行を防ぐことができます。

衰えだした体の異常を早期に発見して、変形性足関節症の進行を防ぐのに必要な検査です。

エコー

足関節の状態を調べます。

Ｘ線では写らない、筋腱、靭帯、軟骨の状態を確認できます。また、関節を動かした状態でも負傷個所を確認できるので、変形性足関節症の靭帯の肥厚、骨棘、腫れの状態を調べるのに最適です。

筋繊維の萎縮を調べます。

左右の筋繊維の萎縮を調べることで、脚の衰えが事前にわかります。足の筋肉は第二の心臓と呼ばれ、体の循環や代謝にもかかわるので、筋繊維の萎縮を事前に治療することで、重心バランスを整え、筋力の低下や関節炎の原因を治すことができます。

体の土台を治療して、変形性足関節症の進行を防ぐのに必要な検査です。