遅発性ジストニアは、鍼灸治療で治りますか？

統合失調症の治療で抗精神病薬を使っていると、錐体外路症状が出ることが良くあります。錐体外路症状では運動が減る症状と増える症状が有ります。減る症状がパーキンソン症候群、増える症状が遅発性ジストニアです。遅発性ジストニアは西洋医学的に治療法が無いと言われていますが、パーキンソン病の鍼治療をすると効果がでてきます。お薬と違い鍼治療は体のバランスを保つ作用があるので、錐体外路症状のバランスが取れるためだと思います。

心療内科や精神科でのお薬が原因で発症します。お薬の量を減らしたり、お薬を変えると効果的なのですが、否定的な先生も多いので、大きな病院の心療内科や精神科でセカンドピニオンとして相談するのが良いでしょう。お薬の副作用が心配な方は鍼灸院での治療も効果的です。

遅発性ジストニアが発症してからの期間によります。遅発性ジストニアは、今まで飲まれていたお薬の副作用が原因なので、同じお薬を飲みながら治療をしても長期間かかります。お薬の量を減らしたり、原因のお薬を変えた場合は、3ヵ月～6ヵ月程度で改善することが多いです。早めに治療することがおすすめです。

保険も適応できるので、遅発性ジストニアの治療の第一手段だと思います。私はボトックスを打つ立場ではないのですが、抗体ができると効きが悪くなる等の要素や患者様の精神状態も絡むので、打ち手の職人技に頼る要素が多い治療だと思います。

遅発性ジストニアの発症からの時期を選んで、技能がある鍼灸師が施術をすれば治療効果が上がります。ただ鍼灸師は職人なので、鍼灸師の技能や知識にかなりのばらつきがあるのが現状です。遅発性ジストニアやジスキネジア・アカシジアにも鍼治療が効果的ですが、分院が多い鍼灸院よりも開業歴の長い鍼灸院が良いと思います。また、サーモグラフィーやエコーのような検査器機の設備がある鍼灸院がおすすめです。

遅発性ジストニアは、体の一部分にジストニアが起こることが多いのですが、全身にジストニアが出ている（筋肉の緊張が高まっている）ことが多いです。サーモグラフィーで全身の温度をマッピングして異常がある部分に鍼治療をしています。

遅発性ジストニアは軽症～重症まで多岐にわたります。時間経過だけが重症度の要因ではないので、発症から時間が経過していても良くできることも多くあります。