ホスト:ある朝、鏡の前で「顔が片方だけ動かない」と気づいたあなた。その原因が顔の筋肉ではなく、耳の奥の骨の中にあるって言ったら、びっくりしますか。
ゲスト:驚かれる方が多いです。顔の筋肉そのものは、ほとんどの場合は悪くなっていないんです。
ホスト:こんなことはありませんか。うがいの水が口の端からこぼれる。目が閉じにくくて、夜になると乾いてしょぼしょぼする。
ゲスト:職場で「顔どうしたの」と聞かれるのがつらい。家族との写真で、笑ったつもりなのに片方だけ口が上がらない。
ホスト:病院で薬はもらったけど、「このまま元に戻るんだろうか」と、夜、布団の中で考えてしまう。
ゲスト:その不安、よく分かります。今日は、森上鍼灸整骨院で長く顔面神経麻痺を見てきた立場から、顔が動かなくなるしくみ、病院の薬と鍼の役割の違い、「治った」と言われたのに顔がつっぱる理由まで、お話しします。
ホスト:顔面神経麻痺にも、いくつか種類があるそうですね。
ゲスト:けがや手術のあとに起こるもの、脳が原因のもの、ラムゼイ・ハント症候群、そしてベル麻痺があります。いちばん多いのがベル麻痺で、今日は「ベル麻痺」と言われた方に向けてお話しします。
ホスト:私の近所の方も突然なったんですけど、「何か悪いことをしたのかしら」って、ずいぶん落ち込んでいました。
ゲスト:何も悪いことはしていません。誰にでも起こりうるものです。30代から50代に多く、いちばん多いのは50代と言われています。
ホスト:働き盛り世代ですよね。人前に出る仕事の方だと本当につらいと思います。
ゲスト:会議で話すのが怖い、写真では自分だけ後ろに下がる、という声をたくさん聞いてきました。
ホスト:家の中でもですか。
ゲスト:お孫さんに、怒っているのかと聞かれて、泣きそうになったという方もいました。
ホスト:それはつらいですね。放っておくと、どうなっちゃうんですか。カラダにも影響がありますか。
ゲスト:まず目に症状が出ます。まぶたが閉じにくいと、目の表面の角膜が乾いて傷つきます。目が痛い、しみる、と感じたら要注意です。
ホスト:痛みが出たら、もう危ないということですか。
ゲスト:危険サインですね。放っておくと角膜潰瘍といって、目の表面がえぐれて、視力に影響することがあります。しかも目の乾きは、見た目では分かりにくい。
ホスト:自分では気づけないとなると、ちょっと怖いですね。
ゲスト:打つ手はあります。当院では、サーモグラフィで両目の角膜の温度を比べて判断します。病院でも鍼灸院でもほとんど行われていない、当院独自の考え方です。
ホスト:目のほかにも、気をつけることはありますか。
ゲスト:回復の途中で、顔の動きが「つなぎ間違い」を起こすことがあります。目を閉じると、口まで一緒に動く、といったものです。
ホスト:あ、聞いたことがあります。「治ったと言われたのに、笑うと目が細くなる」って。
ゲスト:病的共同運動といいます。つまり、動かすつもりのない場所が、一緒に動いてしまう状態です。
ホスト:それって防げるんですか。
ゲスト:起こりやすい時期と、避けたほうがいいことは分かっています。命に関わる病気ではありませんが、日常のつらさとして長く残りやすい。だから早めに備えておきたいんです。
ホスト:備える話も気になりますが、その前に。そもそも顔って、どうやって動いているんですか。
ゲスト:顔を動かす神経は、耳の奥の、細い骨のトンネルを通っています。太さは鉛筆の芯ほど。その中を、顔に指令を送る電線が通っている、と思ってください。
ホスト:電線、つまり神経ですね。それが、どうなるんですか。
ゲスト:何かのきっかけで、その電線が腫れる。ところがトンネルは骨ですから、広がりません。
ホスト:腫れた電線が、硬いトンネルの中でギュッと締めつけられるんですね。
ゲスト:まさにそれです。締めつけられた電線は、指令を通せなくなります。それで顔が動かなくなります。
ホスト:じゃあ、筋肉が悪いわけじゃなくて、指令が届いていないだけですか。
ゲスト:そうなんです。顔がゆがんで見えるのも、動かない側が元気な側に引っ張られているからです。腫れが引いて指令が通れば、多くの方は動きが戻ります。
ホスト:で、なんで電線が腫れたりするんですか。
ゲスト:多くの場合、ウイルスが関わっていると考えられています。それも、子どものころから体の中にずっといるウイルスです。
ホスト:ずっと居たんですか。本人も知らないうちに。
ゲスト:神経の奥で、おとなしく居候をしているようなものです。ところが家主である体が弱ると、急に活発になる。
ホスト:家主が弱るときって、疲れがたまったときとか。
ゲスト:ええ。肩こり、肉体的な疲れ、精神的な疲れ、それにかぜ。歯を抜くような治療も、体には大きなストレスです。こういうきっかけで、居候が暴れだすと考えられています。
ホスト:家賃も払わずに居座って暴れる。困った居候ですね。
ゲスト:本当に。しかも、追い出す方法はまだありません。せめて活発にさせないよう、体を休める。それも回復の一部です。
ホスト:その居候って、どんなウイルスなんですか。
ゲスト:口唇ヘルペス、いわゆる「かぜの華」と同じ、単純ヘルペスウイルスです。
ホスト:えっ、あれと同じなんですか。
ゲスト:同じウイルスが、唇の神経で活発になればかぜの華、顔の神経で活発になればベル麻痺になります。かぜの華が出る方は、ベル麻痺の可能性も持っています。
ホスト:知りませんでした。じゃあ、しょっちゅう出る人は。
ゲスト:このウイルスには多くの株があって、毒性の強い株を持っている方もいます。かぜの華がしょっちゅう出る、出ると重い、という方はその可能性があり、ベル麻痺も重くなりやすい。
ホスト:私、疲れるとすぐ唇に出るんですけど。
ゲスト:そういう心当たりのある方は、最初から備えを厚くしてください。
ホスト:ところで、ベル麻痺とラムゼイ・ハントは、どう違うんですか。
ゲスト:居候しているウイルスの種類が違います。ラムゼイ・ハントは水ぼうそうと同じ仲間のウイルスで、耳や耳の穴、口の中に水ぶくれが出るのが目印です。
ホスト:なら、水ぶくれを見れば見分けられますね。
ゲスト:ところが、麻痺が先に出て、水ぶくれがあとから出る方が、およそ3分の1います。
ホスト:3分の1も。それだと、最初にベル麻痺と言われても安心できませんね。
ゲスト:そこです。ベル麻痺と言われても、2週間ほどは、耳、耳の穴、口の中に水ぶくれが出ないか、毎日確かめてください。出たら、すぐ病院へ。耳の穴の中は見えにくいので、ご家族に見てもらうのも一つです。
ホスト:見分けが遅れると、何が困るんですか。
ゲスト:ラムゼイ・ハントは治りにくいので、薬の量から変わってきます。病院の先生も、一日でも早く知りたいところです。
ホスト:病院では、どんな治療をするんですか。
ゲスト:腫れを抑える薬、いわゆるステロイドと、ウイルスの薬が中心です。トンネルの中で起きた火事を、まず消す役ですね。欠かせない役なので、なるべく早く病院で始めてください。
ホスト:さっきの話だと、2週間は見分けがつかないんですよね。薬の量は決められるんですか。
ゲスト:そこが、先生方の歯がゆいところです。ウイルスの薬は、ウイルスの種類によって、必要な量が3倍ほど違います。
ホスト:そんなに違うなら、最初から多いほうにしておけば、とも思いますけど。
ゲスト:実際、見分けがつく前から多いほうの量で始める判断をする先生もいます。ただ、量が多いと腎臓などへの負担が増える。
ホスト:それは、悩ましいところですね。
ゲスト:ですから、年齢や腎臓の状態を見て慎重に決める。限られた情報の中で、先生が最善を選んでいる。私たちは、その判断を尊重しています。
ホスト:火が消えたあとは、どうなるんですか。
ゲスト:腫れが引いて、電線が通り直す。ここからは、体の力で神経が回復していく時期です。
ホスト:そこで鍼の出番、ということですか。
ゲスト:火消しが病院の薬なら、私たちは「焼け跡の片付けと、次に備える役」だと考えています。
ホスト:焼け跡には、何が残っているんですか。
ゲスト:電線が通り直すとき、つなぎ間違いが起きることがあります。さっきの病的共同運動です。火事は消えた。でも配線工事は、これからなんです。
ホスト:その工事で、鍼は何をするんですか。
ゲスト:つなぎ間違いを増やさないことと、こわばりを残さないこと。この二つを目指します。鍼は併用です。ステロイドの代わりにはなりません。
ホスト:ステロイドは、飲み終わればそれで終わりですか。
ゲスト:お医者さんの多くは、そう考えます。薬が体から抜ければ、副作用もなくなる。確かに数字の上では、その通りです。
ホスト:「数字の上では」って、何か引っかかりますね。
ゲスト:私たちの経験では、ステロイドを使ったあと、薬が抜けても、体の表面の温度が下がったままの方がいるんです。お医者さんの間でも、まだあまり知られていないことだと思います。
ホスト:体温が下がると、何がまずいんですか。
ゲスト:免疫力や、神経が回復する力が落ちます。体温を調節する脳の司令塔、視床下部に負担がかかっているためだと考えています。司令塔が元に戻るまでには、半年から1年かかることが多いです。
ホスト:火は消えたのに、家主が冷えたまま、ということですね。
ゲスト:そこで、全身のサーモグラフィで冷えている方を見つけて、体全体の回復も目指しながら、顔の神経に施術します。ここまで確かめて施術している院は、私たちの知る限り、ほかにないと思います。
ホスト:正直に聞かせてください。ベル麻痺って、何もしなくても治る人が多いんですよね。だったら、様子を見ていればいいんじゃないですか。
ゲスト:自然に治る方は、およそ7割。適切な時期にウイルスの薬とステロイドを使えば、9割治ると言われています。そこは隠しません。
ホスト:9割なら、ひと安心ですよね。
ゲスト:そう感じる方が多いんです。顔面神経麻痺の中では「治りやすい組」に入った、と。ただ、落とし穴が二つあります。
ホスト:どんな落とし穴ですか。
ゲスト:一つは、自分が重くなる側に入るかどうか、最初の数日では誰にも分からないことです。治りにくいラムゼイ・ハントが隠れていることもあります。
ホスト:どっちの側に入るかは、自分では選べないんですね。
ゲスト:ええ、選べないんです。しかも、重くなる側に入ってしまうと、腫れが引いたあとに配線のつなぎ間違いが残りやすいんです。
ホスト:あとから「あのとき」と思っても、遅いわけですね。
ゲスト:残念ながら時間は戻らないので、私たちは、治すというより「重くなる側に入ったときに備える」と考えているんです。
ホスト:備えというのは、鍼のことですか。
ゲスト:鍼だけではありません。目を守ること、体を休めること、水ぶくれを確かめること。鍼は、その一つです。傘を持って出かけるようなもので、降らなければ、それでいい。
ホスト:いつから備えればいいんでしょう。
ゲスト:病院の治療と一緒に、鍼も発症直後からです。
ホスト:最初からでいいんですね。ただ、まずは薬だけで様子を見たい方もいると思います。
ゲスト:それなら、線を一本引いてください。薬を始めて2週間たっても、顔の動きが戻ってこない。そのときは迷わず、鍼を併用してください。
ホスト:2週間という線には、何か理由があるんですか。
ゲスト:2週間で戻らない方は、重くなる側に入っている可能性が高い。ここで動くかどうかで、その後が変わります。
ホスト:落とし穴は二つ、とおっしゃいましたよね。もう一つは。
ゲスト:「9割治る」の「治る」の中身です。
ホスト:「病院で治ったと言われたのに顔がつっぱる」って、どういうことなんですか。
ゲスト:病院では、柳原法という採点で顔の動きを評価します。40点満点で、38点以上なら「治癒」と判断されるのが一般的です。
ホスト:点数で決まるんですか。
ゲスト:医学的な基準があります。目安で言うと、目を3分の2閉じられて、「イー」としたときに口角が上がる程度で顔がゆがまなければ治癒、という見方です。こわばりやつっぱり感は点数に入らないんです。
ホスト:じゃあ、目が3分の1開いたままでも、顔がこわばっていても治癒になっちゃうんですね。
ゲスト:そうなります。実際、耳鼻科の先生が治癒と判断しても、8割の患者さんは治った実感がない、という報告があります。患者さんの感覚で本当に「治った」と言えるのは5割ほどじゃないかと、私たちは見ています。
ホスト:なんで、そんなにズレが出るんですか。
ゲスト:顔を動かす神経のルートが、二つあるからです。「目を閉じてください」と言われて動かす、意思のルート。うれしくて自然に笑うときの、感情のルート。
ホスト:病院の検査は、その両方を見ている。
ゲスト:いえ、意思のルートだけです。診察室で「イー」とした顔は動く。でも、家族と笑ったときの顔は動かない。感情のルートは、手つかずのまま残りやすいんです。
ホスト:写真で笑えないのは、そのせいなんですね。
ゲスト:それに、つなぎ間違いやこわばりは、発症から3か月頃に出始めて、1年ほどで固まってきます。点数に出ないので、見過ごされがちです。
ホスト:病院に言っても仕方ないと、あきらめている方も多そうです。
ゲスト:多いです。だから、記録して見える形にしたい。私たちが見たいのは、そこです。
ホスト:鍼って、お医者さんの世界では、どう見られているんですか。
ゲスト:2023年版の診療の指針で、鍼治療は、発症直後の時期と後遺症の時期の両方で「弱く推奨」とされています。
ホスト:「弱く」と聞くと、あまり効かないのかな、と思っちゃいますけど。
ゲスト:これはステロイドと比べての話です。強く推奨されているのはステロイドくらいで、神経の通り道を広げる手術も、同じ「弱く推奨」なんです。
ホスト:手術と同じ、というのは意外です。その鍼って、どこも同じやり方なんですか。
ゲスト:顔面神経麻痺の鍼には、大きく二つのやり方があります。鍼を電極にして電気を流す「電気鍼」と、髪の毛ほどの細い鍼を置いておくだけの「置鍼」です。
ホスト:どちらがいいんですか。
ゲスト:後遺症に対しては、電気鍼より、置鍼のほうが軽減効果が高かった、という報告があります。置鍼は、動かさず、刺激をごく弱くする方法です。
ホスト:でも、電気を流したほうが、筋肉が動いて効きそうな気がしますけど。
ゲスト:そこは逆なんです。顔面神経は、動いている筋肉に向かって再生する特性があり、麻痺した筋肉を電気で動かすと、つなぎ間違い、つまり「病的共同運動」が起きるんです。
ホスト:ただ、鍼灸院によっては、電気を流すところもありますよね。
ゲスト:あります。電気鍼そのものが悪いわけではありません。筋肉が動かない程度の微弱な電流を流すことができれば神経の再生力を高めます。ただ、その見極めには顔面神経への高度な知識が必要になります。
ホスト:電流の強さ一つで結果が大きく変わってしまうんですね。森上鍼灸整骨院さんは、何が違うんですか。
ゲスト:当院は、鍼灸院の中でも、顔面神経麻痺を専門に施術してきた院です。その見極めこそ、専門の院の役目だと考えています。違いは三つあります。まず、見る場所。病院の判定基準では点数に出ない病的共同運動と、こわばり・つっぱり感を、施術の対象として見ます。
ホスト:点数の外側を見るわけですね。二つ目は。
ゲスト:測ってから施術することです。柳原法とサニーブルック法という二つの採点で、顔の状態を記録します。病院と同じ物差しです。それに、測るのは顔だけではありません。
ホスト:顔以外もですか。
ゲスト:全身のサーモグラフィで、顔の状態と、体の冷え、ストレスの状態を確かめます。最初にお話しした両目の角膜の温度も、ここで測ります。
ホスト:体全体まで写すんですね。その検査で、診断もしてもらえるんですか。
ゲスト:いえ、診断は病院の仕事です。当院の検査は、状態を確かめて施術に生かし、変化を一緒に確かめるためのものです。
ホスト:三つ目はなんですか。
ゲスト:三つ目が、さっきの電気の見極めです。当院では筋肉を動かすような電気は流しません。そのうえで施術内容も時期で変更します。発症から3か月頃までは、電気鍼も、強い表情の練習もしません。髪の毛ほどの細い鍼を、顔と手足に置く置鍼を中心にします。
ホスト:顔の病気なのに、手足にも置くんですか。
ゲスト:体全体の疲れやこわばりも見たいからです。居候が暴れだすきっかけは、体の疲れでしたよね。追い出せない以上、家主である体を休ませることも大事だと、私たちは考えています。
ホスト:3か月を過ぎた方は、どうなりますか。
ゲスト:後遺症の時期は、こわばりやつっぱりの軽減を目指します。半年、1年たった方も、まず今の状態を採点するところから始めます。
ホスト:これまで、どれくらいの方を見てこられたんですか。
ゲスト:院全体で、1986年から40年にわたり、顔面神経麻痺の患者さんだけで延べ8万7千人の鍼治療に取り組んできました。
ホスト:家では、何に気をつければいいですか。
ゲスト:まず、目を守るメガネで、乾きと傷を防ぐこと。次に、目と口を別々に動かすように心がけること。
ホスト:目と口を一緒に動かさないというのはなぜですか。
ゲスト:つなぎ間違いを増やさないためです。それから、耳や口の中の水ぶくれを、毎日確かめること。
ホスト:さっきの2週間の話ですね。通い始めたら、どういう流れになりますか。
ゲスト:初回に採点と検査をして、施術の回数と費用の目安を先にお伝えします。14回をひと区切りに再検査をして、通う間隔を決めていきます。まずは病院で診察を受けてから、ご相談ください。
ホスト:ここからは、あなたの代わりに本音で聞きます。鍼灸院って、正直どこも同じに見えるんですが。
ゲスト:鍼は、手先の技術です。お薬のように、量を決めれば誰がやっても同じ効き目が出る、というものではありません。
ホスト:じゃあ、同じ鍼でも、打つ人しだいで効き目が変わってきてしまうんですね。
ゲスト:だからこそ、顔面神経麻痺を専門に見てきた鍼灸師を選ぶことが、とても大事なんです。
ホスト:選ぶときの目安ってありますか。
ゲスト:一つは、担当の鍼灸師が決まっているか。毎回違う人だと、顔の小さな変化を追いかけられません。
ホスト:あっ、回数券をまとめて買うと安くなる院もありますよね。あれはお得なんでしょうか。
ゲスト:それが二つ目の目安です。回数券を先に売る院は、やめたほうがいいです。施術は状態に合わせて、いつでも変えられるようにしておきたいからです。
ホスト:あと一つは、何ですか。
ゲスト:院をどんどん増やしているところもおすすめしませんね。院が増えるほど、一人ひとりの専門性が薄くなりやすいからです。どこ、ではなく、誰、があなたの顔を見るのかで選んでください。
ホスト:最後にもう一つ。病院に行かずに、鍼だけでは、だめですか。
ゲスト:まず病院へいきましょう。診断と火消しは病院の仕事だからです。私たちは、その上で併用する役です。
ホスト:鏡の前で、一生懸命顔を動かしている方も多いと思うんですが。
ゲスト:お気持ちは分かりますが、発症3か月頃までは控えてください。配線工事の最中に、電線を強く引っ張るようなものですから。
ホスト:おさらいさせてください。まず、悪いのは顔の筋肉ではなく、骨のトンネルの中で腫れて締めつけられた電線ですね。
ゲスト:そうです。そして、火消しの薬は病院で。2週間は、耳と口の中の水ぶくれを確かめてください。
ホスト:次に、9割治ると言われても、それは病院の基準。重くなる側かは、最初は分からない。だから発症直後から、病院の治療と一緒に備えると。
ゲスト:薬を始めて2週間たっても動きが戻らなければ、迷わず鍼を併用しましょう。点数に出ないつっぱりやつなぎ間違いは、私たちが見ます。半年たった方も、まず採点から。
ホスト:してほしいことは一つだけ。病院で診察を受けたうえで、森上鍼灸整骨院に、電話か、ホームページのお問い合わせフォームで相談してください。
ゲスト:相談は無料で、ご家族からでも大丈夫です。連絡先は、森上鍼灸整骨院。電話か、ホームページのお問い合わせフォームです。
ホスト:火事が消えても、配線工事はこれから。お医者さんに「治った」と言われても、鏡を見るたびに苦しんでいる方は少なくありません。
ゲスト:顔は、その人の人生そのものです。点数の上では治っていても、笑えない、泣けない、そんな方を一人でも減らしたい。私たちは、そう考えています。一人で抱え込まないでください。焦らず、一緒に前に進みましょう。
※出典1 顔面神経麻痺診療ガイドライン 第2版(2023)
※出典2 森上鍼灸整骨院 40年の臨床経験 のべ8万7千人の顔面神経麻痺の患者さんの治療データ