痙性斜頸は、鍼灸治療で治りますか？

大人になってからの痙性斜頸は、もともとカラダに痙性斜頸を持っているケースが多いです。軽度の場合は肩こりとして放置されています。そんな状態にストレスや薬の副作用が重なって起こります。姿勢バランスを調整する大脳の基底核の異常な興奮と言われています。

性格的に几帳面な方がなりやすいです。精神的には不安を感じやすい方がなりやすく、「人に見られている」というストレスが強くなるほど筋肉の緊張が高まり、痙性斜頸が悪化することが多くあります。

脳に異常が無いかを調べるために脳外科を受診します。脳に異常が無ければ脳神経内科を受診します。ボトックスを打つなら麻酔科を受診します。ボトックスは先生の技量で大きく変わるので、数をこなしてる先生のほうが腕が確かだと思います。お薬で良くならない時は、専門性の高い鍼灸院に通院されることもおすすめです。

完全に治らないことも多い治療法に決定打のない病気です。初めからしっかり取り組みましょう。患者様の素因、ストレス、お薬の副作用を解決できれば6か月程度で症状が改善することも多いです。素因、ストレスの改善には鍼治療がとても効果的です。

安定剤や睡眠薬が原因で起こることが知られています。特に抗精神病薬を使用すると、発症することが多いです。お薬を出されている神経内科の先生に相談し、お薬を変えてもらう相談をしましょう。神経内科の先生の中にはお薬の量を減らすことや、お薬が原因のジストニアについて否定的な先生もいることがあるので、そうしたケースでは大きな病院でセカンドオピニオンを考えるのも効果的です。

保険も適応できるので、痙性斜頸の治療の第一手段だと思います。私はボトックスを打つ立場ではないのですが、効きすぎると頭が倒れて筋腱や膜を傷める可能性や、患者様の精神状態、抗体ができると効きが悪くなる等の要素が絡むので、打ち手の職人技に頼る要素が多い治療だと思います。

痙性ジストニアの患者様でボトックスが効きすぎて頭が前に落ち込み、首の筋腱を断裂した患者様がいました。顔面痙攣で複数回ボトックスを打つことで、顔面神経麻痺の病的共同運動が出た患者様がいました。

痙性斜頸の発症からの時期を選んで、技能がある鍼灸師が施術をすれば治療効果が上がります。専門性が高い技術と知識が必要なので、分院が多い鍼灸院よりも開業歴の長い鍼灸院が良いと思います。またサーモグラフィーやエコーのような、検査器機の設備がある鍼灸院がおすすめです。

痙性斜頸は首の現れる局所性のジストニアと言われますが、全身にジストニアが出ている（筋肉の緊張が高まっている）ことが多いです。サーモグラフィーで全身の温度をマッピングして異常がある部分に鍼治療をしていきます。

痙性斜頸は軽症～重症まで多岐にわたります。時間経過だけが重症度の要因ではないので、発症から時間が経過していても良くできることも多くあります。