多系統萎縮症で注意が必要な症状について教えてください。

オシッコの障害

おねしょをすることがあります。初めはたまにですが、徐々に毎日するようになります。トイレに行く回数が多くなったり、オシッコが漏れたりすることがあります。
※男性の場合、前立腺肥大と診断され手術をするとオシッコが全くでなくなってしまうので注意が必要です。事実、当院に通院されている患者様でかなり多い症状です。

起立性低血圧

炭水化物が多い食事をとると、食後に元気がなくなったり、意識が遠のいたりします。症状が進行しだすと、夜間トイレに行く時や、椅子から立ちあがる時に気を失うこともあります。
※寝ているときの血圧を基準にお薬がだされるので、血圧を下げるお薬を飲まれている方が多いです。主治の先生に必ず相談しましょう。
※動作をゆっくりするようにすると症状が改善することが多いです。

構音障害

呂律が回らなくなります。電話での会話に困られる方が多いのですが、進行すると誤飲性肺炎の原因になります。
※誤飲性肺炎を防ぐために、早めにカラオケや発音練習をしましょう。リハビリをすることでしゃべりやすくなることが多いです。

歩行異常

歩行のふらつきや不安定さがおこります。階段からおちたり、転倒したりすることが多いです。
※骨折や全身麻酔をするような手術をすると、急激に症状が進むので注意をしましょう。
※脊柱管狭窄症と診断されて手術を進められることがあります。手術をきっかけに症状が急激に進むことが多いです。

測定障害・巧緻性の障害

おもった所に手を持って行くことが出来なくなります。ボタンの掛けはめや、字を書くことが下手になります。

動作緩慢・反射障害

関節がスムーズに動かなくなります。足がすくんだり、歩く速度がどんどん早くなったり、後に歩こうとすると転倒することが多いです。片膝が曲がってカラダが傾いてしまうことがあります。