多系統萎縮症には
鍼治療とリハビリが効果的です

多系統萎縮症には鍼治療とリハビリが効果的です

多系統萎縮症の原因

多系統萎縮症の原因を説明する鍼灸師 吉池弘明

更新/2024.08.27

多系統萎縮症の原因について教えてください。

多系統萎縮症の原因について教えてください。東京都 S.K.様

いろいろな病院に通院して最後は多系統萎縮症と診断されました。突然に難病と言われて頭が真っ白になりました。多系統萎縮症は、どんなことが原因でおこるのですか?

東京都 S.K.様

脳で神経の伝達を調整するタンパク質(αシヌクレイン)が変性して、毒性を発揮することが原因です。

αシヌクレインは、運動バランスや感情表現をする脳神経の伝達を調整するタンパク質なので、αシヌクレインが変性して固まると、カラダを動かすことや感情を表現することが徐々にできなくなります。

また、患者様の血清から多系統萎縮症を発症させるシード(種)が発見され、取り出すことに成功したと言う発表がありました(Nature Medicine誌)。最近では、多系統萎縮症はプリオン病のように感染・伝播すると考えられています。

徐々に原因が解明されてきています。
近い将来、多系統萎縮症をもとから治すお薬が開発されるかもしれません。

鍼灸師 吉池 弘明

鍼灸師 吉池 弘明

私が書きました

森上鍼灸整骨院 鍼灸師 吉池 弘明

多系統萎縮症の治療経験37年。医師とは異なる検査【医療用サーモグラフィ】を取り入れ、のべ20万人を検査、治療成果を上げる。自らを「サーモグラファー」と命名。多系統萎縮症の鍼治療に欠かせない、自律神経・ストレス状態をデータから読み解き、患者様ひとりひとりに合わせた治療を行っている。はり・きゅうの日生まれ62歳。

多系統萎縮症になりやすい人

遺伝的に多系統萎縮症になりやすい体質があると想定されています。

パーキンソン病やレビー小体型認知症の患者様が血縁者にいると、多系統萎縮症を発症する率が高まるようです。多系統萎縮症になりやすい体質を持った人が生活習慣やストレス、環境などの外因が作用したことが原因で病気が発症すると考えられています。

多系統萎縮症の鍼灸外来

お医者様とは違った角度から検査をして鍼治療に活かしています。

  • カラダの傾きを検査する

    オリーブ橋小脳萎縮症の検査

    オリーブ橋小脳萎縮症では、カラダの傾きが大きくなるほど症状が進みやすいので、カラダの傾きを検査します。傾く原因を作っている姿勢筋を確認しながら鍼治療を進めます。

  • 自律神経の状態を検査する

    シャイ・ドレーガー症候群の検査

    多系統萎縮症では、症状が悪化する前に自律神経のバランスを崩すことが多いです。自律神経中枢の障害は体表温度に現れるので、体温から悪化の予兆を調べて鍼治療を進めます。

  • 脳への血流を検査する

    線条体黒質変性症の検査

    多系統萎縮症が進行する方は脳への血流が悪化していることが多いです。寝ている状態と起きている状態では血流が変化するので、日常生活で一番多い姿勢で脳への血流状態を調べて鍼治療を進めます。

  • 検査結果に合わせてツボを刺激

    多系統萎縮症の鍼治療風景

    検査の結果に合わせて、的確なツボを鍼で刺激していくので、より多系統萎縮症の回復が高まる鍼治療が可能です。