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多系統萎縮症の最新治療

多系統萎縮症の最新治療を説明する柔道整復師・鍼灸師 吉池 加奈

更新/2025.05.03

多系統萎縮症の最新治療について教えてください。

多系統萎縮症の最新治療について教えてください。東京都 S.K.さん

できる治療は何でもしようと思っています。立ち眩みで気を失うので、現在は血圧を上げる薬を飲んでいます。多系統萎縮症にはどんな治療がありますか?

東京都 S.K.さん

多系統萎縮症の病理が分かって、いろいろな治験が始まっています。

αシヌクレインの発生を抑える遺伝子治療、神経の抗酸化作用があるコエンザイムQ10を使った治療等で効果が報告されています。しかし、これらの治療は治験の段階で、一般的に受けられる原因そのものを治す治療法はありません。

多系統萎縮症の辛い症状は、お薬を使った対症療法で、ある程度抑えることができます。脳神経を活性化する鍼治療と、鍼治療後すぐに行うリハビリも効果的です。お薬の治療とも併用でき、SARAの数値が改善することが多いです。
※SARA-世界的に使われている多系統萎縮症の評価方法

柔道整復師・鍼灸師 吉池 加奈

多系統萎縮症の鍼治療に取り組む柔道整復師・鍼灸師 吉池 加奈

私が書きました

森上鍼灸整骨院 柔道整復師・鍼灸師 吉池 加奈

薬に頼らなくとも自然治癒力で症状が改善していくよう、患者さんの鍼治療と心のケアに取り組む。若干の滑舌の悪さと陽気さで場を和ませるムードメーカー。持ち前の好奇心と向上心で、日々新しい治療法を模索している。

多系統萎縮症の新しい治療

世界中でさまざまな臨床試験や治験が始まっています。

多系統萎縮症の原因が徐々に解明され、多種多様な治療が開発中です。近い将来、多系統萎縮症をもとから治すお薬が開発されるかもしれません。

  • 臨床試験中の治療

    多系統萎縮症とパーキンソン病が同じ種類の病気だと分かりました。先行しているパーキンソン病の治療研究が転用されると、治療薬の開発が一気に進むかもしれません。

    柔道整復師・鍼灸師 吉池 加奈

    神経毒を発生させると考えられているαシヌクレインを抑制する免疫療法や、αシヌクレインが原因の活性酸素の老化から神経を守る治療法、αシヌクレインが原因の病気で、先行して研究が進められていたパーキンソン病の薬からの転用が行われています。


    ION464(別名BIIB101)

    αシヌクレインを発生させる遺伝子情報を阻害する治験中のアンチセンス医薬品です。多系統萎縮症の患者さん24人の髄腔内へ、イオン464を投与する治験が欧州で行われています。現在、第Ⅰ相試験が実施されました。
    ※アンチセンス医薬品・・・タンパク質の合成を伝えるRNAと結合して機能を阻害・抑制するRNA。

    NBMI

    抗酸化作用のあるお薬で、αシヌクレインが固まるのを予防する作用が期待されています。現在、多系統萎縮症と進行性核上性麻痺の患者さん16人を対象に第Ⅱ相試験が行われています。

    免疫治療(Lu AF82422)

    αシヌクレインを中和、除去することによってMSAの進行を遅らせ、抑制できる可能性がある抗体治療薬です。米国と日本で第Ⅱ相試験が行われ、結果が2024年2月5日に発表されています。有用な効果は認められなかったとのことです。

    リツキシマブ

    リツキシマブはリウマチ疾患の治療に使われるお薬です。MSAは、活性酸素が原因の神経炎が起こることやシェーグレン症候群との合併頻度が高いことが知られているので、リツキシマブの抗炎症作用を期待して、MSA-Cの患者さん50人を対象にした第Ⅱ相試験が中国で進行中です。

    間葉系幹細胞自家移植

    間葉系幹細胞はグリア細胞(多系統萎縮症で変性する細胞)に分化できる細胞で、自分の骨髄や脂肪から取り出すことができます。静脈に投与しても脳まで届いて生着するかは不明です。メイヨクリニックでは髄注が、韓国では経動脈投与が試験中です。
    ※髄注・・・脳は血液脳関門があって薬剤が届かないので、薬剤を直接脳脊髄液に注入することで効果が期待できます。

    コエンザイムQ10

    多系統萎縮症になりやすい体質があることが想定されています。その中で、コエンザイムQ10を合成する遺伝子に異変があることが発見され、コエンザイムQ10を使った治験が行われました。効果は、プラセボ群に比べておおよそ30%の進行抑制があったとのことです。
    ※服用する量が通常の10倍前後となるので、副作用を防ぐため効率よく吸収できるかが今後の研究課題のようです。

  • 「多系統萎縮症の最新治療法を徹底解説!」

    未来の希望と新たな選択肢

    多系統萎縮症(MSA)は、神経系に深刻な影響を与える難病で、多くの患者さんにとって避けがたい現実です。しかし、近年の医学研究や治療法の進展により、未来への希望が少しずつ広がってきています。本記事では、最新の治療法やその効果、患者さんにとっての新たな選択肢について詳しく探っていきます。

    現代の医療は、かつてないスピードで進化しており、個々の症例に応じたパーソナライズされた治療が可能になりつつあります。多系統萎縮症の治療界での革新や新たな研究成果は、患者さんやその家族にとっての明るい未来を示唆しています。治療に対する理解を深めながら、改善の道筋を一緒に探っていきましょう。

    多系統萎縮症とは何か?

    多系統萎縮症(MSA)は、中枢神経系に影響を及ぼす進行性の神経変性疾患です。この病気の主な特徴は、運動機能、排尿機能、血圧調整など、複数の自律神経機能に異常をきたすことです。MSAは、パーキンソン病や他の神経変性疾患と症状が似ているため、診断が難しいことがありますが、特定の診断基準や検査によって区別されます。

    MSAは、オリーブ橋小脳萎縮型(MSA-C)と線条体黒質変性型(MSA-P)の2つの主要なタイプに分類されます。MSA-Cは主に小脳の障害により、協調運動障害や歩行障害などの症状が現れます。一方、MSA-Pはパーキンソン症候群に似た症状を示し、筋固縮や動作の遅れが特徴です。これらの症状は、日常生活に大きな支障をきたし、患者さんの生活の質を著しく低下させます。

    MSAの原因は完全には解明されていませんが、タンパク質の異常な蓄積や遺伝的要因が関与していると考えられています。α-シヌクレインというタンパク質が神経細胞内に蓄積し、神経細胞の機能を障害することが、この病気の進行に寄与している可能性があります。現在のところ、MSAを根本的に治療する方法は存在しませんが、症状の進行を遅らせたり、生活の質を向上させるための治療法が模索されています。

    多系統萎縮症の症状と診断方法

    MSAの症状は非常に多様であり、個々の患者さんによって異なります。主な症状には、運動機能の障害、自律神経の異常、小脳機能の障害などが含まれます。運動機能の障害には、筋固縮、動作の遅れ、震えなどがあり、これらの症状はパーキンソン病とよく似ています。また、自律神経の異常には、排尿障害、便秘、低血圧、発汗異常などが含まれます。小脳機能の障害によっては、協調性の欠如や平衡感覚の喪失が見られます。

    MSAの診断は、患者さんの症状や身体検査、画像検査、神経学的検査などを総合的に評価して行われます。特に、MRI(磁気共鳴画像法)によって小脳や脳幹の萎縮が確認されることが多く、これが診断の決め手となることがあります。また、脳脊髄液の検査によっても診断が進められることがあります。さらに、患者さんの病歴や症状の進行状況、家族歴なども重要な診断の手がかりとなります。

    正確な診断を下すためには、専門医の診察が不可欠です。MSAは他の神経変性疾患と症状が重なるため、誤診されることもあります。したがって、適切な診断と治療を受けるためには、専門的な医療機関を受診し、必要な検査を受けることが重要です。早期診断と適切な治療が、症状の進行を遅らせ、患者さんの生活の質を維持するために大いに役立ちます。

    現在の治療法の概要

    多系統萎縮症(MSA)の治療は、主に症状の緩和を目的としています。現在のところ、MSAを根本的に治す治療法は存在しませんが、症状を管理し、生活の質を向上させるためのさまざまなアプローチが採用されています。これには、薬物療法、理学療法、作業療法などが含まれます。

    薬物療法は、MSAの症状を緩和するために広く使用されています。例えば、ドーパミン作動薬は、パーキンソン様症状を軽減するために使用されますが、MSAの患者さんに対する効果は限られています。また、自律神経症状に対しては、血圧を安定させる薬や排尿障害を改善する薬が使用されます。これらの薬物療法は、症状の緩和に一定の効果がありますが、副作用や効果の持続性には個人差があります。

    理学療法や作業療法も、MSAの患者さんの生活の質を向上させるために重要な役割を果たしています。理学療法では、筋力の維持や関節の柔軟性を保つための運動が行われます。作業療法では、日常生活の動作を補助するための技術や装置が提供され、患者さんができるだけ自立した生活を送ることができるようサポートされます。これらのリハビリテーションは、患者さんの身体機能の維持に貢献し、精神的なサポートにもなります。

    最新の治療法の研究と進展

    近年、多系統萎縮症(MSA)の治療法に関する研究が急速に進展しています。特に、根本的な治療法の開発に向けた研究が進められており、将来的な治療法の実現に期待が寄せられています。最新の研究では、遺伝子治療や幹細胞治療、革新的な薬物療法などが注目されています。

    遺伝子治療は、特定の遺伝子を修正することで病気の進行を抑えることを目指しています。MSAに関わる遺伝子の異常を特定し、それを修正することで症状の改善を図るアプローチです。この分野では、特定の遺伝子の働きを抑制するための技術や、正常な遺伝子を導入するための方法が研究されています。遺伝子治療はまだ臨床応用には至っていませんが、将来的にはMSAの治療に革命をもたらす可能性があります。

    幹細胞治療も、MSAの治療において注目されている分野です。幹細胞を用いて損傷した神経組織を再生し、機能を回復させることを目指しています。特に、患者さん自身の細胞を使用する自家移植法や、他人の細胞を使用する異種移植法が研究されています。幹細胞治療は、動物実験や初期の臨床試験で一定の効果が示されていますが、安全性や長期的な効果についてはさらなる研究が必要です。

    遺伝子治療の可能性

    遺伝子治療は、多系統萎縮症(MSA)の治療において大きな可能性を秘めています。遺伝子治療の基本的な考え方は、病気の原因となる遺伝子の異常を修正し、正常な遺伝子の機能を回復させることです。これにより、病気の進行を抑え、症状を軽減することが期待されています。

    遺伝子治療の一つのアプローチは、遺伝子の働きを抑制することです。MSAに関連する特定の遺伝子が過剰に働いている場合、その働きを抑制することで症状を改善することができます。例えば、RNA干渉技術を用いて、病気に関与する遺伝子の発現を抑制する方法が研究されています。この技術は、特定の遺伝子の発現を選択的に抑えることができるため、副作用が少ないとされています。

    もう一つのアプローチは、正常な遺伝子を導入する方法です。遺伝子編集技術を用いて、患者さんの細胞に正常な遺伝子を導入し、異常な遺伝子の機能を補うことができます。この技術は、特定の遺伝子の修正だけでなく、新しい遺伝子の導入も可能にするため、幅広い応用が期待されています。これまでの研究では、動物モデルを用いた実験で一定の効果が示されていますが、ヒトへの応用にはまだ課題が残されています。

    幹細胞治療の最新情報

    幹細胞治療は、再生医療の一環として多系統萎縮症(MSA)の治療において注目されています。幹細胞は、さまざまな細胞に分化する能力を持つため、損傷した神経組織の再生を促進することが期待されています。特に、自家幹細胞移植や他家幹細胞移植が研究されています。

    自家幹細胞移植は、患者さん自身の幹細胞を使用する方法です。このアプローチの利点は、拒絶反応のリスクが低いことです。患者さんから採取した幹細胞を培養し、増殖させた後、損傷した部位に移植することで、神経組織の修復を図ります。初期の臨床試験では、自家幹細胞移植によってMSAの症状が改善された例が報告されていますが、長期的な効果についてはさらなる研究が必要です。

    他家幹細胞移植は、他人の幹細胞を使用する方法です。このアプローチの利点は、より多くの細胞を迅速に準備できることです。他家幹細胞は、適合性の高いドナーから提供され、患者さんに移植されます。しかし、拒絶反応や免疫抑制の必要性が課題となります。現在、他家幹細胞移植の安全性と有効性を評価するための臨床試験が進行中です。

    幹細胞治療は、再生医療の新たなフロンティアとして期待されており、MSAの治療においても大きな可能性を秘めています。今後の研究によって、安全性と効果がさらに確認されることで、MSAの患者さんにとっての新たな治療オプションとなることが期待されます。

    薬物療法の革新

    多系統萎縮症(MSA)の薬物療法は、近年大きな進展を遂げています。従来の治療法では、症状の抑制に限られていましたが、最新の薬物療法では、病気の進行を遅らせることを目指したアプローチが注目されています。 新しい薬物療法の一つに、神経保護薬が挙げられます。神経保護薬は、神経細胞を保護し、損傷を抑えることで病気の進行を遅らせることを目的としています。例えば、抗酸化作用を持つ薬や、炎症を抑える薬が研究されています。これらの薬は、神経細胞に対するストレスを軽減し、細胞の生存を促進する効果が期待されています。

    また、最近の研究では、免疫調節薬も注目されています。MSAは、自己免疫反応が関与している可能性があるため、免疫系を調節することで症状の進行を抑えることが考えられています。例えば、特定の免疫細胞の活性を抑える薬や、炎症性サイトカインの生成を抑制する薬が研究されています。これらの薬は、免疫反応を調整することで、病気の進行を遅らせる効果が期待されています。

    さらに、MSAの治療においては、複数の薬を組み合わせるコンビネーション療法も研究されています。異なる作用機序を持つ薬を組み合わせることで、より効果的に症状を管理し、病気の進行を抑えることができるとされています。このアプローチは、個々の患者さんの症状や病状に合わせたパーソナライズド治療にも適しています。

    患者の生活の質を向上させるサポート

    多系統萎縮症(MSA)の治療において、患者さんの生活の質を向上させるためのサポートも非常に重要です。医療だけでなく、日常生活におけるサポートが患者さんの生活の質に大きな影響を与えます。

    まず、理学療法や作業療法は、MSAの患者さんの身体機能を維持し、日常生活の動作を補助するために重要な役割を果たします。理学療法では、筋力強化やバランストレーニングが行われ、患者さんの身体機能を最大限に引き出すことを目指します。作業療法では、日常生活の動作を補助する技術や装置が提供され、患者さんが自立した生活を送るためのサポートが行われます。

    また、心理的なサポートも欠かせません。MSAは進行性の病気であり、患者さんやその家族にとって大きな精神的な負担となります。心理カウンセリングやサポートグループは、患者さんや家族が病気に対処するための精神的な支えとなります。これにより、患者さんは孤立感を感じることなく、前向きに治療に取り組むことができます。

    さらに、適切な栄養管理も重要です。MSAの患者さんは、嚥下障害や消化器系の問題が生じることが多く、栄養状態が悪化しがちです。栄養士の指導のもと、バランスの取れた食事を摂ることで、患者さんの体力を維持し、病気の進行を遅らせることが期待されます。

多系統萎縮症の鍼灸外来

お医者さんとは違った角度から検査をして鍼治療に活かしています。

  • カラダの傾きを検査する

    オリーブ橋小脳萎縮症の検査

    オリーブ橋小脳萎縮症では、カラダの傾きが大きくなるほど症状が進みやすいので、カラダの傾きを検査します。傾く原因を作っている姿勢筋を確認しながら鍼治療を進めます。

  • 自律神経の状態を検査する

    シャイ・ドレーガー症候群の検査

    多系統萎縮症では、症状が悪化する前に自律神経のバランスを崩すことが多いです。自律神経中枢の障害は体表温度に現れるので、体温から悪化の予兆を調べて鍼治療を進めます。

  • 脳への血流を検査する

    線条体黒質変性症の検査

    多系統萎縮症が進行する方は脳への血流が悪化していることが多いです。寝ている状態と起きている状態では血流が変化するので、日常生活で一番多い姿勢で脳への血流状態を調べて鍼治療を進めます。

  • 検査結果に合わせてツボを刺激

    多系統萎縮症の鍼治療風景

    検査の結果に合わせて、的確なツボを鍼で刺激していくので、より多系統萎縮症の回復が高まる鍼治療が可能です。