脊髄小脳変性症の鍼治療は効果がある?SARAスコアで見た変化

「脊髄小脳変性症(SCD)と診断され、病院では進行を遅らせる薬を飲むしかないと言われた。鍼治療が良いとは聞くけれど、本当に効果があるのだろうか?」
そんな切実な疑問を抱えている患者さんやご家族は少なくありません。当院では、感覚的な「良くなった気がする」という言葉だけで終わらせることはありません。
世界共通の重症度評価スケールである「SARA(サラ)スコア」を用い、客観的な数値で当院の鍼治療の実績を実証しています。今回は、驚くべき改善データとその理由について詳しくお伝えします。
1. SARAスコアとは?何もしないとどれくらい進行する?

まずは、ご自身の状態を客観的に知るための基準を知っておきましょう。
SARA(Scale for the Assessment and Rating of Ataxia)は、小脳性運動失調の重症度を測る国際的な尺度です。歩行、立位、座位、言語、指の動きなど8つの項目(0点:正常 ~ 40点:重度)で評価します。
研究データによると、脊髄小脳変性症は進行性の病気であるため、自然な経過では1年間で約1.3〜1.6点ずつスコアが悪化(点数が上昇)していくと言われています。つまり、この点数の上昇を食い止め、逆に点数を下げることができれば、「病気の進行を数年分巻き戻した」と言えるのです。
2. 標準的なリハビリと当院の鍼治療、改善度の比較
病院で行われるリハビリも非常に有効ですが、当院の鍼治療を組み合わせた場合、さらに高い改善実績が出ています。
- 病院での集中リハビリ(日本): 1日2時間の集中訓練を4週間行うことで、平均2.1点の改善。
- 病院でのリハビリ(ドイツ): 週3回のリハビリを4週間行うことで、平均5.4点の改善。
- 森上鍼灸整骨院の「鍼治療+運動療法」: ワンクール14回の治療で、平均8点もの改善がみられるケースもあります(※当院に自力で通院できるレベルの患者様における独自実績)。
自然進行で1年間に1.3〜1.6点悪化することを考えると、「8点の改善」は、単純計算で約4〜5年分の進行を巻き戻したことに相当します。
3. なぜ当院の鍼治療でこれほど改善するのか?

標準的なリハビリを上回る実績を出せるのには、2つの明確な理由があります。
① インナーマッスル(深層筋)への直接刺激
ふらつきを必死に抑えようとすると、体は無意識にガチガチに固まります。特に後頭部の奥(後頭下筋群)や腰、股関節の奥(大腰筋)といった、マッサージでは届かない「インナーマッスル」が過度に緊張しています。当院では、ここへ直接鍼を刺入し、異常なこわばりを強力に緩め、体が動くための土台を整えます。
② 治療直後30分以内の「ゴールデンタイム」
当院の最大の特徴は、鍼をして終わりではないことです。 鍼刺激によって脳や筋肉への血流が最大化し、インナーマッスルがほぐれている「治療直後の30分以内」は、脳の神経回路が新しく繋がりやすい(脳の可塑性が高まる)ゴールデンタイムです。この最高の状態で当院オリジナルの運動療法を行うことで、小脳の「誤差学習」が強力に促され、劇的な機能回復を生み出します。
4. まとめ:進行性だからと諦めないでください
「進行性の病気だから、良くなることはない」と諦めてしまうのは、まだ早すぎます。
当院では、感覚ではなく「数値(SARAスコア)」で結果を出すことにこだわっています。まずはご自身のスコアを評価し、今の状態からどれくらい「巻き戻せるか」を一緒に考えていきましょう。自力で通院できる今のうちに、正しい介入を始めることが、未来のあなたを守ることに繋がります。
脊髄小脳変性症の鍼灸外来
一般的な鍼灸院では行わない「体の状態を客観的に捉える方法」です。
足部の温度変化を確認する検査の一例
「診断はついた。けれど、今の自分の状態がどうなのかは、よくわからない」
「薬を続ける以外に、何を意識すればいいのか、誰も教えてくれなかった」
私たちは、こうした行き場のない不安を抱える患者さんと40年間向き合ってきました。
当院では、サーモグラフィで全身の体温分布を可視化します。
脊髄小脳変性症の方では、
ご本人が感じている歩きにくさやふらつきと一致する形で、
手足の温度分布に左右差が見られることがあります。
その一致を一緒に確認することで、
「なぜ今の動きにくさが出ているのか」を整理する手がかりになります。
この検査には専門機器と解析技術が必要なため、一般的な鍼灸院で行われることはまずありません。 感覚や印象だけに頼らず、今の体の状態を落ち着いて見つめたい方のための情報提供の場として、 ご相談をお受けしています。
参考文献
当院が提示するデータや治療メカニズムは、以下の専門書や研究に基づき、独自の実績と比較・検証したものです。
- 脊髄小脳変性症・多系統萎縮症診療ガイドライン2018(南江堂)
- 脊髄小脳変性症のリハビリテーション (医歯薬出版)
- 小脳と運動失調 小脳はなにをしているのか(中山書店)
- 脊髄小脳変性症マニュアル 決定版!(日本プランニングセンター)
- 図解 鍼灸療法技術ガイド I / II(文光堂)
- 神経内科2013 神経内科診療における鍼灸治療(科学評論社)
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当院について
森上鍼灸整骨院
院長 吉池 弘明
森上鍼灸治療では、西洋医学の代替医療として鍼灸治療に取り組んでいます。 顔面神経麻痺や突発性難聴の患者様には、臨床経験20年以上の鍼灸師がチームを組んで治療にあたります。
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