できる限りの治療をして、いつまでも現役で働ける体を維持したいのですが、パーキンソン病にはどんな治療法がありますか?
パーキンソン病は、現状だと症状をお薬でコントロールする治療がメインとなります。
また、パーキンソン病は脳の中でドーパミンを作る細胞が死滅していきますが、その原因が「αシヌクレインの変性」ということが分かり、世界中で様々な研究が進められています。
鍼はパーキンソン病に
多くの成果を上げています。
鍼はパーキンソン病に多くの成果を上げています。
パーキンソン病の最新治療
●更新 2025.01.29
できる限りの治療をして、いつまでも現役で働ける体を維持したいのですが、パーキンソン病にはどんな治療法がありますか?
パーキンソン病は、現状だと症状をお薬でコントロールする治療がメインとなります。
また、パーキンソン病は脳の中でドーパミンを作る細胞が死滅していきますが、その原因が「αシヌクレインの変性」ということが分かり、世界中で様々な研究が進められています。
世界中であらゆる臨床試験や治験が始まっています。
パーキンソン病の原因が徐々に解明されてきているので、多種多様な治療が開発中です。近い将来、パーキンソン病をもとから治すお薬が開発されるかもしれません。
IPS細胞を使った再生医療が徐々に始まっています。
IPS細胞から分化誘導したドパミン神経前駆細胞を、患者さんの脳の線条体(左右両側)に移植する治療です。京都大学では治験が終了していて、2023年11月にはアメリカで治験が始まっています。
ドパミンは黒質で作られて線条帯に運ばれますが、黒質が変性してしまうために、線条帯に移植するようです。定着するドパミン細胞の寿命にもよると思うのですが、もとから治す画期的な治療法です。
黒質内に変性したαシヌクレインが溜まることで、ドパミンを作る細胞が死滅することが分かってきました。
αシヌクレインは、カラダの微調整や感情の調整をする神経経路(ドーパミン経路)のシナプス機能の調整をすると言われています。ドーパミン経路の機能が低下すると、運動調整や認知機能、感情や学習などの機能が徐々に低下していきます。
αシヌクレインは、今までは生体での確認ができない状況でしたが、2022年8月の量子科学技術研究開発機構の発表によると、αシヌクレインを陽電子放射線断層撮影装置(PET)で画像化することに成功したそうです。診断技術の確立や、根本的治療薬の開発が進むことが期待されています。
αシヌクレインを標的にした核酸医療の治験も始まっています。パーキンソン病は、ルビー小体型認知症、多系統萎縮症と同じくαシヌクレインが原因の病気だと分かってきました。
αシヌクレインを発生させる遺伝子情報を阻害する治験中のアンチセンス医薬品です。多系統萎縮症の患者24人の髄腔内へ、イオン464を投与する治験が欧州で行われています。現在、第Ⅰ相試験が実施されました。
※アンチセンス医薬品・・・タンパク質の合成を伝えるRNAと結合して機能を阻害・抑制するRNA。
抗酸化作用のあるお薬で、αシヌクレインが固まるのを予防する作用が期待されています。現在、多系統萎縮症と進行性核上性麻痺の患者16人を対象に第Ⅱ相試験が行われています。
αシヌクレインを中和、除去することによってMSAの進行を遅らせ、抑制できる可能性がある抗体治療薬です。米国と日本で第Ⅱ相試験が行われ、結果が2024年2月5日に発表されています。有用な効果は認められなかったとのことです。
私が書きました
森上鍼灸整骨院 鍼灸師 吉池加奈
薬に頼らなくとも自然治癒力で症状が改善していくよう、患者様の鍼治療と心のケアに取り組む。若干の滑舌の悪さと陽気さで場を和ませるムードメーカー。持ち前の好奇心と向上心で、日々新しい治療法を模索している。