突発性難聴、まだ諦めたくない方へ

突発性難聴、まだ諦めたくない方へ

治すために原因を知る

副作用のない自然な方法で、突発性難聴を治療する鍼灸治療

更新 2026.10.06

突発性難聴の原因について教えてください。

突発性難聴の原因について教えてください。新潟県 M.S.さん

お医者さんはストレスが原因だというのですが、思い当たるところがありません。どんな原因で突発性難聴になりますか?どんなことに注意をしたらいいですか?

新潟県 M.S.さん

突発性難聴の事を、耳梗塞と言われる耳鼻咽喉科の先生もいます。

最近の研究では、突発性難聴の患者さんは、脳梗塞や心筋梗塞がおこりやすい遺伝子を持っていることがわかってきました。

そういった梗塞を起こしやすい遺伝的な体質に、寝不足や過労等のストレスがかかると突発性難聴が発症しやすくなります。

注意が必要なのは、脳梗塞や心筋梗塞に先駆けて突発性難聴が起きている可能性があることが指摘されていることです。

私たちは、40年間にのべ14万人の突発性難聴の患者さんに鍼治療をしてきました。

このページでは、私たちの経験と最近の世界的な研究も含めて、突発性難聴の原因と必要な注意を解説します。

突発性難聴専門チーム 吉池 くるみ

  • この記事の執筆者

    突発性難聴専門チーム 吉池 くるみ

    森上鍼灸整骨院 突発性難聴専門チーム 吉池 くるみ

    オージオメータ、循環器用エコー、モアレトポグラフィなどの検査機器を使いこなし、検査データに基づいた鍼治療で、突発性難聴からの回復を後押ししている。

    落ち着いた語り口調と癒しのオーラで患者さんからの信頼が厚い。

  • 突発性難聴は耳梗塞!

    内耳の微小血管に血栓が詰まることや、ウイルス性血管炎で梗塞が起こることが原因と考えられています。

    何が原因なのか、発症時は見分けがつきません。

    発症後に聴力検査を一週間ごとに行なうと、ある程度の原因を想定できることがあります。

    発症した原因により、治療法を微調整することで回復に大きな差が出ることが多いです。

  • A. 血栓による梗塞

    突発性難聴の60~70%の原因です。

    内耳の血管のけいれんや血栓で内耳に梗塞が起こります。

    血流が止まってた時間と範囲により症状や回復に差が出ます。糖尿病、高血圧、心房細動等の基礎疾患があるほど発生しやすい突発性難聴です。

    1. 実際、当院でおきた患者さんの話

    突発性難聴で入院中に脳梗塞が発症していた。

    当院で治療したある患者さんは、突発性難聴での入院時、脳のMRI検査では異常が見つかりませんでした。ところが、退院前の再検査で、小さな脳梗塞が新たに見つかったそうです。

    専門家の報告でも、耳の症状だけで発症する脳梗塞が少なくないと指摘されています。

    突発性難聴が起った患者さんのカラダで、同時に脳梗塞も始まりだしていたという実例です。

    突発性難聴専門チーム 吉池 くるみ

    突発性難聴は、脳梗塞の警告サイン!

    突発性難聴発症後の脳梗塞発症リスクは健康な人の1.64倍

    台湾で行われた1,400例以上の大規模コホート研究では、「突発性難聴を発症した患者さんは、その後の5年間で脳卒中(脳梗塞)を起こす確率が対照群に比べて有意に高い1.64倍という衝撃的なデータが示されています。

    内耳の血管は脳の血管よりもはるかに細いため、全身に先駆けて「極小の脳梗塞(耳梗塞)」として症状が先行して現れると考えられています。

    2. 梗塞を起こしやすい体質がある

    突発性難聴で通院される当院の患者さんと、脳梗塞の後遺症で通院される当院の患者さんは、全身症状がほぼ同じです。

    私たちは全身の血流障害が、カラダの中で一番細い内耳の血管に突発性難聴として発症すると考えています。

    実際、突発性難聴が起こった姿勢で内耳に向かう血管や手足の血管をエコーで観察すると、動脈の血液の流れが悪い患者さんがほとんどです。

    そういった、梗塞が起こりやすい全身症状を改善することで、突発性難聴の症状が徐々に改善するケースも少なくありません。

    突発性難聴専門チーム 吉池 くるみ

    手足の温度が低下している

    手足の動脈をエコーで確認すると血流の乱れがあることが多いです。

    突発性難聴の患者さんをサーモグラフィで確認すると、手足の温度が異常に低い方が多いです。また、動脈の血流に乱れがある方も多いです。

    直系の近親者に脳梗塞や心筋梗塞があると、遺伝的に梗塞を起こしやすい体質である可能性があります。実際、当院で治療した突発性難聴の患者さんも、家族に脳梗塞や心筋梗塞の既往がある、コレステロールや血糖値が高いといった共通点が多く見られます。

    首が曲がっている

    首が曲がっていて、内耳にむかう椎骨動脈の血流が低下していることが多いです。

    自律神経や内耳に向かう椎骨動脈に異常があるかを、エコーのカラードップラーで調べます。

    椎骨動脈は、静脈と動脈が平行して走っているのですが、突発性難聴を起こした姿勢で椎骨動脈を調べると、ほとんどのケースで血流が低下、もしくは止まっていることが多いです。こうしたケースではめまいを発症しやすくなります。

    遺伝的に血栓が溶けにくい

    日本人には、梗塞を起こしやすい遺伝的な体質があることが多い。

    突発性難聴になる原因の遺伝子が発見されています。

    血栓ができやすかったり、できた血栓が溶けにくくなる遺伝子が突発性難聴なる確立を高めることがわかってきました。また、体質てきに、コレステロールや血糖値が高かったり、血圧が高い体質も突発性難聴の原因と考えられています。

    3. 突発性難聴は脳梗塞と共通している

    実は、突発性難聴と脳梗塞は、血管の解剖学的な特徴も、誘因、治療法も、共通していることが多い疾患です。

    突発性難聴は、病理学・治療概念で「耳で起こる脳梗塞(耳梗塞)」と例えられていて、「早期発見・早期の血流再開と酸素供給・脳細胞保護」という治療戦略が脳梗塞と深く共通しています。

    突発性難聴専門チーム 吉池 くるみ

    血管の解剖学的な共通点

    内耳の血管はバイパスのない血管のため酸欠にとても弱い。

    内耳の血管は、脳の血管と同じでバイパスを持たない終動脈です。そのため、血栓や血管のけいれん、ウイルス炎症にともなう血管炎で血流がとまると、一瞬で強烈な「虚血(酸素欠乏・梗塞状態)」がおこります。

    誘因の共通点

    血流の低下が原因で梗塞が起こりやすくなります。

    自律神経と血管リスク 過労、精神的ストレス、睡眠不足などによる交感神経の過緊張(血管収縮)や、高血圧、糖尿病、動脈硬化などの血管障害リスクが発症の大きな引き金・背景となります。

    治療法の共通点

    原因が同じのため、治療法にも共通点が多くあります。

    脳梗塞の急性期治療で培われた「虚血を防止・血流再開アプローチ」が、そのまま突発性難聴の治療にも応用・共有化されています。血管拡張薬や高気圧酸素療法で酸素不足に陥っている内耳へ酸素を供給します。

  • B. ウイルスによる梗塞

    突発性難聴の30~40%の原因です。

    ウイルスの再活性化が原因で、血管炎が起こることで梗塞が起こります。

    ウイルスの種類により症状や回復に差が出ます。風邪のあとや寝不足、長時間ストレスにさらされた後に発症しやすい突発性難聴です。

    1. 実際、当院でおきた患者さんの話

    風邪をひいた後、突発性難聴が発症。

    当院で治療した高校生は、模試で寝不足が続き風邪をひいたあとに重度の突発性難聴が発症しました。その後、入院して治療、一か月後には治癒となりました。

    風邪をひいたり、寝不足が続いたりすると、体内に潜んでいた単純ヘルペスウイルスが活性化して、突発性難聴になることがあります。

    突発性難聴専門チーム 吉池 くるみ

    ウイルスの活性化で耳梗塞が発症!

    ウイルスが原因の血管炎で耳梗塞が発症しやすくなります。

    突発性難聴が発症したときにペア血清検査をすると、30~40%の割合で、ウイルスが活性化していることがわかっています。最も頻度が高いウイルス(主要な原因)は、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)です。

    いずれも、子供の頃からカラダの中に潜んでいるウイルスで、風邪や発熱、過労、ストレス、寝不足などで、免疫力が低下したときに再び暴れだします。

    2. 突発性難聴の原因となるウイルス

    単純ヘルペスウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルス、ムンプスウイルスが90~95%をしめます。

    単純ヘルペスウイルスと水痘・帯状疱疹ウイルスでウイルス性難聴の70~90%をしめます。いずれも、カラダの免疫力が低下したときに活性化します。

    ウイルス性顔面神経麻痺の原因になるウイルスです。

    突発性難聴専門チーム 吉池 くるみ

    単純ヘルペスウイルス

    ウイルスが原因の突発性難聴の40~50%をしめるウイルス。

    風邪の花の原因ウイルスです。風邪のあとや寝不足で免疫力が低下した時に唇の周りにできる口唇ヘルペスの原因ウイルスです。

    内耳の神経節に潜伏していて、 再活性化して突発性難聴になります。重度の難聴になりますが、ウイルスの毒性が弱く回復しやすいのが特徴です。

    水痘・帯状疱疹ヘルペスウイルス

    ウイルスが原因の突発性難聴の30~40%をしめるウイルス。

    子供の頃にかかった水疱瘡のウイルスです。風邪のあとや寝不足で免疫力が低下した時に帯状疱疹になる原因ウイルスです。

    内耳の神経節に潜伏していて、 再活性化して突発性難聴になります。めまいが起こることがあります。重度の難聴になります。ウイルスの毒性が強く回復しにくいのが特徴です。

    ムンプスウイルス(おたふく風邪)

    ウイルスが原因の突発性難聴の10~15%をしめるウイルス。

    おたふく風邪のウイルスです。高度の片耳難聴が起こることがあります。おたふく風邪の症状がでないまま感染することがあるので、突発性難聴として治療が始まることがあります。

    激しいめまいや耳鳴りを伴って発症することがあります。毒性がつよく、ステロイドがまったく効かない特徴があります。

  • C. まとめ

    免疫力と血液循環の改善が大切

    突発性難聴は、血栓と血管炎がモザイク状に絡み合う疾患です。

    ウイルスが再活性化すると血管に炎症が起こり、血栓ができやすくなります。逆に、血流が悪くなることで、神経に潜んでいたウイルスが再活性化することもあります。

    どちらが先であっても、たどり着く場所は同じです。内耳の血流障害、耳梗塞です。

    そのため、末梢までの血流を改善することと、免疫力を上げることが大切です。

    突発性難聴専門チーム 吉池 くるみ

    ステロイドの副作用

    体温の低下と免疫力・再生力の低下を招きます。

    突発性難聴では治療の第一選択として、ステロイドのパルス療法が挙げられていますが、実は、ステロイドの医学的なエビデンスは示されていないのが現状です。

    また、免疫の中枢である視床下部に負担がかかるので、その後、数か月にわたり、体温が低下して免疫力がさがります。

    もし、発症から2週間たっても、聴力が完全に回復しないなら、免疫力を上げるような努力、質の良い睡眠、体温を上げる努力、免疫力を上げる鍼治療を併用することも効果的です。