鍼は多系統萎縮症に
多くの成果を上げています。
鍼は多系統萎縮症に多くの成果を上げています。
多系統萎縮症のよくある質問
更新/2025.01.10
脳の中にごみのようなもの(変性したαシヌクレイン)がたまって、急速に脳の老化が始まる進行性の難病です。進行速度は患者様により大きな差があります。
遺伝的に多系統萎縮症になりやすいタイプがあることが想定されています。医学的に証明されていませんが、近親者にパーキンソン病やルビー型認知症の患者様がいる家系は多系統萎縮症が発症しやすい感じがします。
進行性の難病なので、治った人はいないです。診断が難しい疾患なので、過去に多系統萎縮症でない患者様が、多系統萎縮症と診断されていたことがあるかもしれません。新薬の開発も進んでいますが進行を止めるお薬がメインとなりますので、現状の治療に取り組んで症状を進行させないことが大切です。
厚生労働省のアナウンスでは、発症から5年で車いすになると言われていますが平均値です。長く歩ける方もいれば5年を経過しなくても歩行ができなくなる方もいます。進行スピードが遅く脳の萎縮が進まない方は、リハビリに取り組まれている方が多いです。
世界基準では多系統萎縮症には2つのタイプ(MSA-C、MSA-P)がありそれぞれ症状が異なりますが、タイプに合わせた鍼治療を継続することで、症状を大幅に改善できるケースが多いです。
新薬として開発されているお薬でも、SARA(世界的に使われている脊髄小脳変性症の評価方法)で0.7ポイント程度の改善ですが、鍼治療をすると5ポイント程度改善することが多いです。
お医者様でいただくお薬とは異なり、施術をする鍼灸師により治療効果に大きな差が出ます。
また保険外の治療になるので、技量の高い鍼灸師ほど治療費が高額となります。多系統萎縮症の知識レベルにも大きな差があるのが現状です。
当院の場合は、1クール14回の治療を続けます。14回終了後に鍼治療の効果の出方を確認後、その後の治療間隔を決めていきます。※14回の治療は、1日に2回おこなうことも可能です。
今出ている症状を改善したり、今後の進行を緩やかにしたりできます。
自律神経に異常が出るタイプ(尿の制御ができず、オネショをしたり尿が出なかったりするタイプ)は、症状が急激に進むことが多いのでお早めにご相談ください。
鍼治療の直後から効果が現れることが多いです。ただし間隔を開けると戻ってしまうので、定期的に治療をするようにしましょう。
当院で鍼治療をされた患者様の中には、治療直後にご家族が見て歩きつきが良くなったとびっくりされる方や、呂律が回らない症状が改善されて電話で話すことができる方も多いです。
骨折をすると症状が急速に進むことが多いので注意が必要です。早めにクラッチ杖を両手について、バランスをとって歩く練習をするのが効果的です。
また、急に立ち上がる動作や、食事中食後には血圧の関係で貧血を起こすことが多いので(起立性低血圧、食事性低血圧)ゆっくりした動作で立ち上がりましょう。寝ている時、声帯の外転麻痺が原因で、高いいびきをかいて呼吸ができなくなることがあります。早めにマスクタイプの呼吸器を使いましょう。リハビリにカラオケが効果的です。
「らりるれろ」を言えるようにいつも練習しましょう。多系統萎縮症は、舌が動かなくなってくると誤飲性肺炎や睡眠時無呼吸の原因になります。
「らりるれろ」の練習は、小脳変性の訓練にもなります。治療時に鍼で舌根の筋肉を刺激するので、治療の後に舌の運動をするのがおすすめです。また、足や腰に錘をつけて歩くと、バランスをとって歩行練習ができます。
通常の低い音のいびきなら心配はいりません。声帯が麻痺をすると空気が通らなくなり窒息することがあるのですが、その場合は高い音のいびきになります。
高い音のいびきをするときは、周囲の方は注意して早めにお医者様に相談するようにしましょう。舌の運動をすることで声帯の麻痺を防げるので、絶えず運動をするようにしましょう。
多系統萎縮症では食事性低血圧を起こしやすくなるので、元気がないように見えることが多いです。反応がなかったり食事後しばらく歩けなくなったりする場合もあります。
多系統萎縮症で眠くなることはありません。お薬で安定剤が出ている場合は、お薬の効果で眠くなることが多いです。歩行時に転倒しないように注意をしましょう。
ただ、自律神経の障害が出るので、食事中や食後には低血圧になることがあります。その場合はボーッとしていることがあるので、ゆっくり横になるようにしましょう。
多系統萎縮症の鍼治療・検査費用は保険適用外となります。捻挫や筋損傷が多系統萎縮症の症状を進行させたり、回復を妨げたりする要素になることがあります。そういったケースでは、捻挫や筋損傷の部分は保険適応となります。
自律神経の異常、脳と手足の血流状態、カラダの傾きを調べます。
初診時に15,000円前後の検査費用がかかります。
検査結果により、A~Cの治療を組み合わせて行います。
A.小脳性運動失調の鍼治療:9,000円~16,000円程度
B.自律神経失調の鍼治療:8,000円前後
C.パーキンソンニズムの鍼治療:5,000円前後
※A~Cの組み合わせで、費用は異なります。
※事前にお見積もりを作成しています。ご予算に合わせての治療も可能です。
※初診に限り土日祝日と平日の午後は、検査費用と自費診療分は1.5倍となります。予めご了承ください。
私が書きました
森上鍼灸整骨院 鍼灸師 相良 明範
お医者様の治療で効果がなかった家族の体調不良をきっかけに、鍼灸師になることを志す。現在は、総合診療科の治療をメインに取り組む。感情が表にあらわれにくいが、優しさは人一倍。心と体の不調に悩まれている患者様に寄り添い、支えになれるような治療を心がけている。