母親から遺伝した脊髄小脳変性症なので、同じような症状が出ると思っていますが、どんなことに気を付けると良いですか?
脊柱管狭窄症、糖尿病、自己免疫疾患、甲状腺機能が低下する病気など他の疾患が重なると、進行が早くなることが多いですが、医療用サーモグラフィ検査をすると、異常をいち早く発見できるので、お早めにご相談ください。
鍼は脊髄小脳変性症に
多くの成果を上げています。
鍼は脊髄小脳変性症に多くの成果を上げています。
脊髄小脳変性症の症状
更新 2025.01.21
母親から遺伝した脊髄小脳変性症なので、同じような症状が出ると思っていますが、どんなことに気を付けると良いですか?
脊柱管狭窄症、糖尿病、自己免疫疾患、甲状腺機能が低下する病気など他の疾患が重なると、進行が早くなることが多いですが、医療用サーモグラフィ検査をすると、異常をいち早く発見できるので、お早めにご相談ください。
「進行を早める要因」の治療も大切です
脊髄小脳変性症では、お酒に酔っているかのようなふらつきや呂律が回らない症状が目立ちますが、今出ている症状の治療とともに、進行を早めてしまう他の疾患や、自律神経を整える治療をおこなうことも大切です。
足や手をスムーズに動かすことや、言葉を滑らかに発語することが難しくなります。
足がもつれて転倒しやすくなるなど、「うまく歩けなくなる」ことで、異変に気づかれることが多いようです。また、バランスがとれなくなる(片足立ちができなくなる)、歩行をするときに揺れてしまうなどの症状もあります。
歩行と同様に、手は動かせますが動作がスムーズにできなくなるため、文字が書きづらくなったり箸が使いづらくなったりします。(細かい動きが不得意になっていきます。)
小脳性運動失調は筋肉がうまく動かなくなるので、舌の筋肉も衰えやすくなります。次第に呂律が回らなくなってくるため、ゆっくり話さないと言葉が出ないなどの症状が現れます。
誤嚥性肺炎や、睡眠時無呼吸症候群などのリスクが生じやすくなります。
嚥下機能の衰えから、ご飯を食べるとむせやすくなり、誤嚥性肺炎につながる恐れがあるので注意が必要です。患者様の状態によっては、刻み食やとろみ食への調整や、顎を引いてむせにくい姿勢で食事をするなどの工夫が必要です。
寝るときに高いいびきをかくようになると、睡眠時無呼吸症候群につながる恐れがあるので注意が必要です。早めにマスクタイプの呼吸器を使ったり、舌の機能を維持するリハビリをしたりしましょう。カラオケや歌を歌う練習、「らりるれろ」を言う練習は、舌のリハビリに効果的です。
末梢神経障害や自律神経障害があると、進行を早めることが多いです
運動失調の症状を軽減するタルチレリン(セレジスト)は、甲状腺を刺激して薬効を発揮しますが、甲状腺の機能自体が低下していたり、橋本病などの甲状腺の病気があったりすると、薬効を十分に届けられず、症状が進む要因になることが考えられます。
脊髄小脳変性症は、背骨を通っている脊柱管が狭くなり足の痺れや麻痺が起こるので、より歩行の妨げになってしまうことが多く、注意が必要な疾患です。
高血糖の状態が続くと、末梢神経の働きが悪くなり、自律神経障害(めまいや排尿障害など)が現れることが多いので注意が必要です。
小脳性運動失調の治療やリハビリと並行して、鍼治療で血流異常と自律神経を整えることも、症状の進行を少しでも遅らせることに役立ちます。
来院頂ければ、全身検査をしてお体の状態を読み解き、患者様ひとりひとりに応じた鍼治療のご提案ができるので、分らないことがありましたら、お電話やメールにて何でもご相談ください。
私が書きました
森上鍼灸整骨院 副院長 吉池 美奈子
実家は宮崎の名門鍼灸院。周囲への配慮に長けた面倒見の良い二児の母。自らがジストニアを経験したことから、脊髄小脳変性症をはじめとする神経内科の鍼治療に取り組んでいる。座右の銘は「1番患者様の役に立つ人間になる」