脊髄小脳変性症の1型、2型、3型、6型、7型、17型、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症は、原因の遺伝子治療の研究が進んでいます。31型も原因遺伝子が確定され、治療法が開発されています。
再生医薬品「ステムカイマル」
健常者の脂肪組織か間葉系細胞(MSC)を取り出して増殖させた後、点滴で投与します。日本、台湾、アメリカで臨床試験が行なわれています。2023年5月、第2相の国内臨床試験で有効な効果が確認できなかったものの、一定の部分集団では効果が確認されたとして、製造本のリプセルで承認の申請準備を進めています。(日本経済新聞2023/5/25)
グルタミン酸調整薬「トロリルゾール」
脊髄小脳変性症の運動失調の症状を、自然経過と比べて50~70%遅らせることができることが治験で示され、米Biohaven社が2024年に米食品医療品局に新薬申請を行なうとのことです。
L―アルギニン
脊髄小脳変性症の1型、2型、3型、6型、7型、17型、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症は、同じ病気のグループ(ポリグルタミン病)になるのですが、ポリグルタミン病の動物モデルの運動症状や、神経変性がL―アルギニン(販売されているサプリ)で改善されたことを専門誌「ブレイン」で2020年発表。新潟大、大阪大、神経医療研究センター、東京医科歯科大学で、脊髄小脳変性症6型タイプについて治験を始めるとのことです。
※2024年11月26日に治験の結果が発表され、一定の効果は得られたが、人数が少なかったため統計的な効果は確認できなかったとのことです。
脊髄小脳変性症の遺伝子治療
東京医科歯科大学を中心とする研究グループが、脊髄小脳変性症1型のモデルショウジョウバエの生体実験で、RpA1投与で平均寿命を野生型とほぼ同等に戻せたと発表がありました。(2013)
群馬大学で脊髄小脳変性症1型のモデルマウスの遺伝子治療で、運動機能が大幅に改善することに成功しています。(2008)
東京医科歯科大学で脊髄小脳変性症1型のモデルマウスの遺伝子治療で、寿命と運動能力を改善することに成功しています。(2014)
自治医科大学で脊髄小脳変性症6型のモデルマウスの遺伝子治療で、病的なタンパク質の生成を選択的に抑制することに成功しています。(2016)